お知らせ

「大学の世界展開力強化事業」SDGsをテーマに太平洋地域連携校との短期オンラインスタディープログラム(派遣・受入)を実施しました

  • 2021.04.22
  • ご報告

 琉球大学は文科省世界展開力強化事業(平成30年採択)によるCOIL型(オンラインを活用した教育手法)教育手法を活用した教育交流で、これまで太平洋島嶼地域の連携大学(ハワイ、グアム、パラオ、ミクロネシア、マーシャル)と共に太平島島嶼地域の持続発展に資する人材育成を行ってきました。事業を通して、グローバルリーダーの育成を図り、国際的に通用する語学力や異文化理解力、SDGsに対する理解を深める狙いがあります。

 昨年度に引き続き新型コロナウイルスによる影響を受ける中、202134日から22日の約3週間の日程(事前研修、事後研修の計5日を含む)で、短期学生交流プログラムにおける派遣および受入をオンラインで同時に開催しました。参加者は、連携大学側から7名(ハワイ大学ヒロ校4名、ハワイ大学カウアイコミュニティカレッジ2名、グアム大学1名)、琉球大学側から8(うち1名は太平洋島嶼国の本学留学生)の計15名でした。なお本プログラムは、全て英語で行われました。

 講義内容は、「里海里山」、「景観と防災」、「海の資源管理」、「移民とソフトパワー」、「言語復興」、「沖縄の歴史と文化」、「リーダーシップ」など、沖縄や連携大学が位置する地域の特徴が出るものとなっており、講義担当者は琉大から6名、海外連携大学から7名、および本学卒業生2名(国連大学、立命館大学)の計15名の教員による協力を得て実施しました。講義ではZoomを使い、学生同士がグループで意見交換の場を持てるように頻繁にブレイクアウトを用いました。英語を共通語とする講義では、日本人の学生のなかでも英語の得意な学生とそうではない学生の間で発言力に差が出たものの、海外連携大学の学生の方からそれをカバーするように、Google翻訳機能を用いて日本語で会話を試みるような積極的な歩み寄りもプログラム半ばから見られるようになり、プログラムの目的に沿った成果が見られました。

 地域に共通する課題を取り上げることで、学生が疑問点などを相手に確認し、自分の意見を言うことができ、各講義での学びが深まりました。例えば教員二人が言語復興というテーマで、ハワイと沖縄の事例を比較する共同講義を行なった回では、土着の言語教育のあり方やユニバーサル言語である英語との付き合いかたについて学生同士で話し合うなど、一つの回答に収まらないテーマについて対話を持つ中から、言語復興について学ぶ国際共修を展開することができました。

 対面での学生交流に代わるものとしては、エコキャンパスツアーで本学のプロギング活動を紹介し、また高大連携で沖縄県内の2高校に協力してもらい、伝統舞踊をバーチャルで披露し高校生が海外学生から感想をもらうことができました。これらの学生交流に対し、海外の参加学生からは、「プログラムを通して沖縄の伝統的な文化について知ることができた」や「もっと沖縄について知りたくなった」といったような感想が寄せられ、対面に代わる学生同士の交流にリアリティを持たせることができた印象でした。

 プログラムの最終発表では、各チーム毎に17あるSDGsの中から1つのテーマを選び、それに関連する地域での具体的な取組事例を7分間で発表するという課題が与えられました。最終的に参加学生15名全員が本プログラムを修了し、「総合特別講義I」2単位を取得しました。

 参加した海外の学生からは、「全てのクラスで学ぶことが多く、また学生同士の交流が楽しかった」や、「文化や言語のバックグラウンドが異なる同じ学生たちと、協働学修を通して学べる貴重な経験となった」といった感想が聞かれました。今後も本プログラム内容およびアセスメント方法などを連携大学とともに改善し、太平洋島嶼地域のリーダー養成につながる人材育成を共に行っていくことを目指しています。

 

<オンライン講義の様子>

<ブレークアウトルームの様子>

<琉大エコロジカル・キャンパスとの協働活動>

<高校生との交流>